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“働いても働いても”…抜け出せない過酷な貧困 非正規雇用890万人 30年で広がった格差社会 政治の責任は?【報道特集】(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
働いても働いても、貧困から抜け出すことができない非正規雇用の人たちが増え、格差が広がっている。政治は、貧困と格差の解消に正面から向き合ってきたのか。その過酷な実態を取材した。■働いても生活苦 食

「“働いても働いても”…抜け出せない過酷な貧困 非正規雇用890万人 30年で広がった格差社会 政治の責任は?」

歳を重ねるごとに脱非正規はきつくなる

記事の中では氷河期世代、2026年現在において40代の世代が対象となっています。個人的な感覚では、この世代に限らず、非正規社員が正社員として働くことは極めて難易度が高いと考えていて、今回はそのことについて語っていきます。

脱非正規を困難にするのはスキル形成の問題

非正規社員は基本的に昇進教育を受けません。例えばバイトがバイトリーダーの教育を受けることはあっても、それ以上になることはありません。

期間工でも同じことで、多能工として別の工程を教わることはあっても、それ以上の事は教わりません。そもそも非正規社員には「等級」の考え方がないので、等級を上げるための教育体制がありません。

一般的に転職における「スキル」と呼ばれるものは、30代以上になると、部下を率いたことがあるか、いわゆる「マネジメントスキル」を指すことが多いです。

非正規社員は基本的にマネジメントをしません。なのでどれだけ働いても、どれだけ現場で重宝されても、マネジメント経験を得られない。これが脱非正規を難しくする要因です。

特に40代以上の転職となると、相手側の会社も部課長級を想定して面接しますから、マネジメント経験が無いとそもそも転職の舞台に上がることすら難しいという状況に陥ります。

脱非正規を困難にする個人的事情の問題

「仕事なんて選ばなければいくらでもある」という問題に入ります。

例えばこのブログで取り上げるような期間工の職業。仕事は大変ですが高給取りである期間工に行けば、少なくとも貧困問題からは抜け出せます。が、それは抜け出せる人の場合です。

例えば記事にあるようなシングルファザー・シングルマザーであれば、そもそも子供ありきの生活環境がベースになります。子供を預けて他所の土地へは行けない上、送迎の問題もあるので生活圏内での就職に限定されます。

また、親の介護をしている(扶養家族がいる)、相続した家を管理しなければならない、通院が必要である、というような状況下にある場合も、生活圏の制約によって脱貧困が難しくなるといえます。

そうした制約が無い私のような自由人なら、期間工でも蟹工船でも選ばなければいくらでも職があるわけですが、制約がある方においては、生活圏内の案件からしか選べません。都市部ならいくつかあるかもしれませんが、地方になるほど状況は悪化します。

個人の努力で解決するには食える資格・免許を見極めること

例えば「資格」や「免許」を取ればいいじゃないかと言う方もいます。確かに一理あります。

世の中には食える資格、食える免許が存在します。最近話題に上がる食える資格として、消防設備士があります。ある程度の肉体労働ではありますが、安定した将来性などから界隈で人気になった資格です。

それでも実務経験が重宝されることや、採用面接は別問題であることもあり、資格や免許があれば絶対安泰というわけではありません。取ったはいいが就職できなかったという状況は十分あり得ます。ただそれを言い始めるときりが無いので、ある程度食らいつく精神は必要とも言えます。

自分の生活圏で、求められている資格や免許から逆算して取得することは、脱非正規の有効な手段。「自分にはできない」と諦める前に、「どうすればできるか」を考えるマインドは最低限持っておくべきだとは思います。

ただこういうものは、アンテナを張っていないとなかなか見つかりません。むしろ騙されるほうが多いのではと個人的には思います。例えば資格学校の記事に次のような特集が組まれています。

コスパ最強の食える資格
・日商簿記検定
・FP(ファイナンシャルプランナー)
・ITパスポート
・G検定
・宅建

はっきり言えば、40代以上がこれらを持っていたとしても、転職に有利に働くことはありません。仮に日商簿記1級を持っていても、会計事務所への転職は困難を極めます。経理への応募も結局は即戦力が求められるので、経験が無ければ非正規社員に声はかかりません。

ITパスポートは持っているからといって有利には働かず、FPも取得が就職に有利になったという声はあまり見かけません。宅建も年齢から実務経験が優先され、X上でも厳しい体験談が散見されます。

行政書士,司法書士,弁護士,社会保険労務士,中小企業診断士,税理士,公認会計士、土地家屋調査士…いわゆる士業系については取得すれば確かに有利になります。取得までの道が険しい上、取得しても個人営業力が求められるものもあるので、どれを狙うかは熟考が求められます。

ただ、士業は資格取得まで数年を要し、5年程度で取得できない人も珍しくないことは知っておくべきだと思います。

企業側の考え方が悪いわけではないが、改善の余地はある

氷河期世代の貧困問題は今後も継続して叫ばれ続けることと思います。かといってこれが企業側の問題かと言われると、必ずしもそうではないと思います。

多くの企業は資金に余裕があるわけではありません。特に昨今、いつ何が起こるか分からない。コロナ禍のように数年経済活動が停止することも念頭に資金繰りをしなければならない。

そんな不確実性の高い社会において、氷河期世代の救済に動ける会社は限られてきます。今は転職が当たり前になったとはいえ、多くの会社は長期的な教育を前提とした採用活動を続けていますし、それは今後も変わりません。

40代は残り10年~20年で定年になるため、マネジメント経験を持つ即戦力採用ならまだしも、教育コストをかけて1から育てるにはコスパが悪いと判断されます。そしてそれは経営面からみると極めて妥当な判断です。

また、非正規沼にはまっているのは氷河期世代だけではないため、年代で優遇すると不公平感が生まれ、別の問題が生じるリスクがあります。

企業側としては、長く働いてくれる若い労働力か、中高年でもスキルを持つ人物が望ましいと考えるのは当たり前なことで、それ自体は何も問題ではありません。

そして近年では45歳程度まで未経験採用を広げている会社も散見されているので、状況としては改善されているといえます。

とはいえ、やはりまだまだ改善の余地はある。

その1つは今回の記事にあるように、非正規社員の待遇改善です。非正規雇用制度を採用する多くの企業では、アルバイトやパートの待遇を意図的に低く抑えています。その業務におけるスキルアップをどれだけ続けても、顧客からの信頼をどれだけ集めても、時給がすぐに頭打ちになります。

裏を返せば、非正規雇用の業務の棚卸しができていない。同一労働同一賃金の法律はあるものの、依然として、どの業務がいくらの労働になるのか、その詳細を詰めている企業はほとんどありません。つまり、この作業ができるようになれば時給をどれだけ上げられるといった賃金設定がそもそも未発達という問題があります。

本来であれば正規・非正規に関わらず、どの業務(職務・責務)に対してどの程度評価するかが決まっているべきです。正規社員の職能給(等級や役割・責任に応じた評価)のようなものが、非正規労働者にはありません。あるのは非正規だからいくらまでという、雇用形態ありきな賃金範囲設定のみです。

氷河期世代の貧困問題も根底にはこの問題があると思っていて、例えば非正規社員でも勤続年数で昇給させたり、職務充実に応じた昇給制度を導入する社会であれば、これほどの問題には発展しなかったと思っています。

転職でキャリアアップ×転職で給料アップ、何年かかるか…

私自身は今回期間工になる前に、一般的な会社に就職しようと転職活動していました。転職サイトに登録したりエージェントと相談したり。

40代の自分が製造業以外の会社の正社員になるのは簡単ではなく、結果的に期間工に戻ったわけですが、状況的には氷河期世代の状況と似ていたのだと思います。

その時に考えたのは、どこか適当な会社に正社員で入社し、スキルを付けて転職することでしたが、そもそも0ベースで正社員に入ってマネジメント経験が身につくまでの年数と、そこから転職して昇給する年数を考えれば、あっという間に定年になるなと感じました。

またその先の転職を考えないとしても、入社した会社での昇給イメージが全く持てない案件ばかりであったので、「選ばなければ仕事はいくらでもある」ものの、それによって「生活が改善する」とは言えないものばかりでした。

また、「部下を持った経験はありますか?」といったマネジメント経験を聞かれることもあり、その点において評価を得られなかったことも難航した理由だと思っています。

構造的問題と個人的問題の併発

結論として、氷河期世代の貧困問題は、大前提としてスキルが身につかない、スキルに応じた賃金制度の未発達という企業の雇用上の問題、バブル崩壊やリーマンショックなどにより非正規職を続けざるを得なかった構造的問題、その上でそこから脱出するための自己投資に動けなかった個人的な問題があるのだと思っています。

社会の構造に文句を言っても始まらないのもまた事実であるので、貧困から脱出するためには「今からでも遅くない」と奮起することが解決の最善策だと思う一方で、日本全体として、企業側も非正規雇用に対する考え方を変えていく必要があるのではないかと、今回の記事を見て強く感じました。

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